バクテリアとウイルスの働き(2)
- 秋場信次朗 Shinjiro Akiba
- Jul 26, 2019
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前回紹介したバクテリアとウイルスのお話の続きです。すぐに要約を始めます。
以下、要約
前回紹介した「腸―脳」という関係だけでなく、別に「腸―微生物叢―免疫系―脳経路」という重要なルートが存在することが分かってきました。
オハイオ州立大学の研究で、腸内微生物叢が中枢神経系と直接情報交換をしていることが分かりました。
その方法は、免疫細胞が神経線維と情報交換するというものです。(筆者注:微生物が免疫細胞を使って神経線維と情報交換している)
免疫細胞は、間接的にも脳と情報交換をします。
人間の脳の中の組織液が血液と単純に混ざらないように、「血液脳関門」というものがあるのですが、免疫細胞が、この関門を迂回して情報を脳に届ける代謝物を分泌することも分かってきました。
そして免疫細胞の70~80%は微生物叢と一緒に腸内に存在していて、常に情報交換をしています。つまり免疫を司るのが腸内微生物叢だと言っても良いでしょう。
現在、医学の世界で最も爆発的に革命が起きているのが、この微生物の研究です。
私達の腸・口内・皮膚・鼻・その他に存在する何千種もの微生物が研究対象です。
そしてこれらの微生物叢が中枢神経系を支配していて、微生物叢を癒やすことが各種の病気や精神疾患を治す根本的治療法だということが分かりました。
体内に存在する100兆にも及ぶ、バクテリア・ウイルス・真菌・古細菌は、今まで病気を引き起こすものと考えられてきました。
しかし実際は、食物を消化し、病原体と戦い、毒素を分解します。
また、ビタミン、抗酸化物質、抗炎症物質などの代替物質を生産しています。
このように、今まで「代替医療」と呼ばれていたものの正しさが、最近の微生物研究でドンドン証明されてきています。
各種の慢性病、免疫系疾患、新陳代謝に関する病気、精神疾患は、酵母菌の過剰増殖・カンジダ感染・バクテリアの不バランスによるものだと分かってきました。
いわゆる「リーキーガット」(腸漏れ)です。
体に悪さをするウイルスを発見すると、体はインターフェロンという特別なホルモンを生産します。
インターフェロンは、感染した細胞と周りの細胞を殺すことでウイルスの増殖を阻止します。
そして酵素がウイルスのRNAを破壊します。
このように我々の体の免疫システムは悪さをする微生物から我々を守っています。
とても良くできたシステムです。
ところが、どんなシステムにも欠陥はあります。
アデノシンデアミナーゼという遺伝子は大量のウイルスからの攻撃から体を保護するのですが、少量のウイルスが来た場合に免疫システムに侵入するのを許してしまうことが最近の研究で分かってきました。(筆者注:これも将来、人間の健康に重要な意味を持つことが解明されるでしょう)
オランダのグローニンゲン大学の研究では、加齢に伴う各種の症状、認知症・心血管疾患などは、全て慢性炎症が原因と分かりました。
そしてスプーキーにとって心強い応援となる研究結果が、アリゾナ州立大学から発表されています。
それは、それぞれのウイルスが持つ「共振周波数」を正確に測定する方法を開発したことです。
共振周波数とは、レーザーパルスでその周波数を照射すると、ウイルスが共鳴して最終的に破裂してしまうものです。(筆者注:すでにスプーキーではこの技術を使っていますが、今になって医学界も認めるようになってきたわけです。ただこの研究は大学の物理学の研究チームの成果でして、医学界はすぐに認めないような気がします。)
またオランダのスキッドモア大学の研究では、膵臓ガンのガン細胞が、100,000~300,000ヘルツの周波数の間で脆弱なことが分かりました。
これらの新発見は諸刃の剣です。
医療科学の新しいパラダイムとなりますが、同時に時代遅れの医学教科書の改訂、医療スタッフの再教育を必要としますし、なによりも現代の医療に根強くはびこっている製薬業界や医療機器メーカーからの反発が大きいでしょう。
医師は、薬剤が患者の腸内環境を破壊し、結果として慢性的な疾患に陥ることを十分に認識しなくてはなりません。
抗生剤は医師が思っているよりも危険です。
またステロイド剤は抗生剤よりももっと腸内環境に悪い影響を与えます。
また、今までのような「良い微生物」と「悪い微生物」という考え方も変えなくてはならないようです。
集合としての微生物叢の繊細な働きが分かってきたからです。
なによりも変わらなくてはならないのは、医療で儲ける方法です。
つまり体に悪い(患者にとってプラスにならない)手術、投薬によって金儲けをするのを止めなくてはいけません。
以上、要約終わり
長文なので今回はここで終わります。次回は最終の部分の要約を載せます。
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