中国で別なウイルス感染死
- 秋場信次朗 Shinjiro Akiba
- Mar 28, 2020
- 3 min read

たぶん日本のマスコミはまだ報道していないと思いますが、数日前に中国で、ハンタウイルスという Covid-19 とは別のウイルスに感染した人が亡くなったそうです。
亡くなった男性は、中国の雲南省から東部の山東省までバスで移動中に、体調が悪くなって途中の病院に搬送されましたが、その病院で亡くなったそうです。
調べた結果、新型コロナウイルスには感染していなくて、ハンタウイルスに感染していたそうです。
バスの乗客は現在感染しているか検査中だそうです。
私はハンタウイルスという名前を初めて聞きました。
以下に日本獣医学会のHPよりハンタウイルスの説明文を抜粋して載せておきます。
『ハンタウイルス感染症:ハンタウイルスは人に急性かつ高熱を特徴とする疾患を引き起こす。それらは、症状の特徴から腎症候性出血熱(HFRS)とハンタウイルス肺症候群(HPS)と呼ばれ、両疾患を合わせてハンタウイルス感染症と総称する。HFRSは世界各地で風土病として古くから存在が知られ、それぞれの流行地毎に様々な名前(韓国:韓国出血熱、中国:流行性出血熱、北欧:流行性腎症)で呼ばれていたが、1982年、WHOの国際研究集会で、HFRSと統一して呼称するよう決定された。ハンタウイルス肺症候群(HPSは、発症後急速に呼吸困難を起こして高い死亡率(当初は50%以上)を示す急性の熱性疾患として、1993年、米国南西部の砂漠地帯で突然出現した。両疾患ともに発症初期には発熱、頭痛、腹痛、嘔吐、筋肉痛等のインフルエンザに類似した症状を示すが、その後の症状は両者で大きく相違する、HFRSでは蛋白尿や乏尿などの腎臓の機能障害と皮膚の皮下出血や重症例ではショックによって死亡する。軽症例では一過性の発熱と頭痛のみで快復する。死亡率は適切に対処療法がなされなかった場合10%程度になる。また、HPSでは発熱と同時に咳が出始め、その後、胸腔中に浸出液が急速に貯留して呼吸困難とショックによって高い死亡率が報告されている(50%以上)。しかし、自然宿主であるげっ歯類は全く無症状で、病変は認められない。感染している雌ネズミも正常に妊娠し、繁殖する。感染しているネズミが感染源で人から人への伝染は起こらないことから、ネズミ対策が予防法としては重要。残飯や食料にネズミが集まることがないように、ふたの出来る容器に収納する。また、野外から進入出来ないよう住居の補修をする。ワクチンはHFRSに対して韓国と中国で市販されているが、我が国では用いられていない。治療法は対処療法による。HFRSの最大の流行国は中国で年間10万人程度の症例が報告されている。』
致死率は50%と高いですが、この説明文を見る限り、人から人への感染は無いということでそんなに怖がることはないのかなと思いました。
ところが欧米のマスコミの記事を見ると、少し説明が異なる部分がありました。
アメリカのCDC(疾病対策予防センター)は、ハンタウイルスではまれに人から人への感染例があるというのです。
いわゆる体液による濃厚感染によるケースです。
新型コロナウイルスのようなエアロゾル感染ではないので心配する必要はないのかもしれません。
しかしウイルスはいつでも変異する可能性を持っているので、このハンタウイルスの今後が気になります。
Comments